宗派の豆知識⇒天台宗
天台宗のルーツは、中国浙江省の天台県にあります。隋代に智顗が天台山で道場を開いて修行を行ったことにより、天台大師と呼ばれ、その教えが天台宗と呼ばれるようになりました。わが国には、伝教大師最澄が延暦25年(806年)に開宗したとされています。 その教えは、「妙法蓮華教(法華経)」こそ、仏陀の教えの究極としています。この法華経を中心に、菩薩戒・顕教・密教・禅法などを融合した総合仏教と言えます。これを「四宗相承(ししゅうそうじょう)」と言い、円・蜜・禅・戒、そして念仏を法華経の精神で統合していこうというものです。そして、すべての人・生物・存在には仏になる可能性があると教えています。天台宗宗憲には、「天台宗は宗祖大師立教開示の本義に基づいて、円教・密教・禅法・戒法・念仏等何れも法華一乗の教意をもって融合しこれを実践する」とあります。 ご本尊は、「さまざまな仏さまは、釈迦牟尼仏が縁によって私たちを救うために姿を変えて現れたものである」とする考えから、釈迦如来・大日如来・観世音菩薩など多くの仏さまを祭ります。脇仏には、向かって左に伝教大師、右に天台大師を祭るのが一般的です。 よく読まれる経典は、『法華経(ほけきょう)』、『大日経(だいにちきょう)』、『金剛教(こんごうきょう)』、『蘇悉地教(そしつじきょう)』、『梵網菩薩戒教(ぼんもうぼさつかいきょう)』、『仁王般若教(にんのうはんにゃきょう)』、『阿弥陀経(あみだきょう)』、『観無量寿教(かんむりょうじゅきょう)』、『無量寿教(むりょうじゅきょう)』等です。 総本山は、比叡山延暦寺(滋賀県大津市坂本本町)です。 |
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